(2020年4月1日から2021年3月31日まで)
1.当社の現況に関する事項
事業の経過及び成果
【経済環境】
当期における我が国の経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、4月に緊急事態宣言が発出されたことで景気は大幅に落ち込みました。宣言解除後は消費や輸出が大きく回復し、年末まで持ち直しの動きが続きましたが、年初に感染の再拡大を受け緊急事態宣言が再度発出されたことから景気は再び悪化しました。
【事業の経過】
◆当期業績
ホテル業界は、新型コロナウイルス感染拡大のもたらす影響を最も深刻に受けた業種の一つです。国内外の人の流れの激減はホテルの稼働率の落込みをもたらしただけではなく、数少ない宿泊客の争奪戦は、客室料金の価格破壊にもつながり、かつてない厳しい経営が強いられました。7月からGotoトラベルキャンペーンが開始され、一時的に人の流れが活発になりましたが、年末にかけて感染再拡大により、回復が遠のきました。
このような状況下、当社は従業員の雇用と安全を守りながら、創業以来の「清潔・安心・値ごろ感」 の東横INN QUALITYを堅持し、社会インフラとしての役割を果たしてまいりました。
具体的には
- コロナ禍ゆえのニーズを捉える
従業員および宿泊のお客様の安全に十分配慮しつつ、帰国者、医療従事者、訪日外国人、新型コロナウイルス感染者を積極的に受入れてまいりました。また、リモートワークや通勤を避けるための宿泊ニーズなどを捉えるべく、支配人は営業活動を強化し、デイユースプランの販売や、テレワーク専用客室も新設しました。 - 新たな価格戦略の展開
一層混迷が増すマーケットにおいて、価格の安定性を維持しつつ、画一的ではなく、それぞれのエリアおよび店舗の特性を十分に加味し、収支のバランスを考慮した価格戦略を展開しました。 - 新しい生活様式に合わせた店舗づくりの模索
消毒を加えた清掃や、「密」を回避し安全を考慮した朝食の工夫を継続すると共に、新しい時代の清潔感を追求しました。また、遠方への移動が制限され、地元・地域の重要性が増す中、地域との共生、地域への貢献を進めてまいりました。 - 新規出店スケジュールの全面的な見直し
開発中のプロジェクトについて、環境が大きく変化した中、ニーズを見極め、プロジェクト毎の収益性やリスクを再検証し、プロジェクトの延期や中断も含め、出店時期の徹底的な見直しを行いました。 - 資金基盤の安定化を図る
先行きの不透明さが増す中、事業を継続させるために資金調達の安定化、多様化を図りました。
◆事業の成果
第36期の決算数値は以下のとおりとなりました。
当期は年始から稼働率が急激に下がり、特に5月は30%台を割り込むようになり、その後、Go toトラベルキャンペーンなどで一時的に持ち直したものの、通期平均稼働率は45.8%になりました。それによって、売上高は42,989百万円、前期対比▲51,771百万円、経常損失は13,727百万円と前期に比べ▲25,087百万円と大幅な減収、減益となりました。臨時休業等による損失、海外投資に係わる投資損失引当金との計上の一方、1棟貸しに伴う収益貢献、税効果等もあり、当期純損失は7,527百万円となりました。
【直近5期の業績推移】
回次決算期
区分 |
第32期 2016年4月から 2017年3月まで |
第33期 2017年4月から 2018年3月まで |
第34期 2018年4月から 2019年3月まで |
第35期 2019年4月から 2020年3月まで |
第36期(当期) 2020年4月から 2021年3月まで |
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売上高 | 81,970 | 84,859 | 90,731 | 94,759 | 42,989 |
経常利益 | 17,446 | 15,668 | 14,605 | 11,360 | ▲13,727 |
当期純利益 | 9,876 | 10,256 | 9,542 | 6,443 | ▲7,527 |
1株あたり 当期純利益 |
2,221,376 | 2,306,766 | 2,146,165 | 1,449,085 | ▲1,692,909 |
【新規開業店舗】
ホテル番号 | 開業日 | ホテル名 | 部屋数 |
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313 | 2020/4/24 | 大森 | 155室 |
323 | 2020/6/14 | 新函館北斗駅南口 | 248室 |
318 | 2020/6/24 | 宇都宮駅前2 | 261室 |
324 | 2020/8/7 | 志木駅東口 | 220室 |
321 | 2020/8/29 | 奈良王寺駅南口 | 191室 |
325 | 2020/9/10 | 浜田駅北口 | 246室 |
326 | 2020/10/8 | 浅草蔵前2 | 298室 |
328 | 2020/10/23 | 名古屋金山 | 519室 |
327 | 2020/10/31 | 広島駅新幹線口2 | 272室 |
5 | 2021/3/3 | 千葉幕張 | 246室 |
330 | 2021/3/25 | つくばエクスプレス流山おおたかの森駅前 | 157室 |
第36期年度末総店舗数:315店舗、総客室数71,088室(グループ会社運営店舗含む)